春望

杜甫

国破  山河在 城春   草木深 時 感   花  涙 濺 別  恨   鳥  心 驚  烽火三月 連  家書万金 抵  白頭掻  更 短 渾  簪 勝     欲 
国破れて山河在り城春にして草木深し時に感じては花にも涙を濺ぎ別れを恨んでは鳥にも心を驚かす烽火三月に連なり家書万金に抵たる白頭掻けば更に短く渾べて簪に勝へざらんと欲す

transcription of
Chinese classics into Japanese

国破れて山河在り城春にして草木深し時に感じては花にも涙を濺ぎ別れを恨んでは鳥にも心を驚かす烽火三月に連なり家書万金に抵たる白頭掻けば更に短く渾べて簪に勝へざらんと欲す
国破れて山河在り城春にして草木深し時に感じては花にも涙を濺ぎ別れを恨んでは鳥にも心を驚かす烽火三月に連なり家書万金に抵たる白頭掻けば更に短く渾べて簪に勝へざらんと欲す
国が破れても山や河は残る城にも春が来て草木が生い茂っている時代を想うと花を見ても涙がこぼれ別れを悲しむと鳥の声を聞いても心が痛む狼煙は三ヶ月も続き家族からの手紙は大金と同じぐらい貴重だ白髪頭をかくと更に髪が短くなっており冠をとめるかんざしも挿せなさそうだ

translation into modern Japanese

対句

Auther

杜甫

 杜甫は7世紀ごろの中国、唐代盛期の詩人。少年時代から詩をよくしたが、科挙の試験に及第せず、放浪生活を送ったと言われる。
 中国文学史上最高の詩人として「詩聖」、李白と並称されては「李杜」、晩唐の杜牧に対しては老杜、大杜とよばれる。河南の鞏県を本居とする小豪族の出身。
 代表作に「春望」、「石壕吏」、「登岳陽楼」などがある。